空色チョコレート

「桜」


「ん?」


「...アタシね、母親に、いらないって言われた」


桜はひどく驚いたようだった。


そりゃそうだよね。


「一番守ってもらうべき人にアタシはいらないって言われたの。だから、もう、アタシには桜しかいない」


桜はうつむくと、すとんとしゃがんだ。


沈黙が流れる。


「もう、家にも、学校にも、居場所が無いの。...どこにも」


そう言って、薄く笑う。


すると、桜が口を開いた。


「...分かった」


何が?