空色チョコレート

「は?」


「だって、是永さんは自分を守ってくれる人をいっぱい持ってる。なのに...桜を、アタシから奪おうとするから...」


だから、奪い返してやった。


アタシは、桜が欲しい。


誰にも渡さない。


「綾芽、お前にだって、守ってくれる人がいるだろ?」


いないよ。桜しか。


「ホラ、お前の母親だって、お前が寂しいって正直に言えば、助けてくれるんじゃねぇの?」


は?


あの母親が?


『あんたなんかいらない』って喚き散らしてた母親が?


...そんなわけないでしょ...