「...付き合ってるって言ってた」


「誰が?」


「女の子が」


するとお父さんはキョトンとして、


「それは小春、その子の嘘に決まってんじゃない」


え?


「何でそう言い切れるの?」


「小春、女の子はね、好きな人を手に入れるためなら、キスだってするし、嘘だって平気でつくのよ」


そこが女の怖い事よねぇと頷く。



そして、ビシッと私を指差してお父さんはこう言った。



「それとも小春、自分が好きになった人を信じられないの?」



...信じたい。けど...怖い。


「俺が好きなのは綾芽だ」って言われるのが...