空色チョコレート

「...桜、次、棒倒しだよ」


振り向くと、こっちを綾芽ちゃんが見ていた。


「早く行かないと、みんなに文句言われるよ」


綾芽ちゃんがくいっと、桜のジャージを引っ張る。


桜はその手をパシッと払った。


「...分かった」


小さくそう言って、走って去っていく。


その背中を綾芽ちゃんは、切なそうな顔で見ていた。


その姿を見て、桜に踏み込もうとして拒絶されていた自分を思い出した。


好きな人に拒絶されるって、すごくつらいんだよね。