近い顔...
目の前の唇を見て沸騰しそうになる...
薄いピンク色の唇が...あたしの唇に重なったんだ...?
思い出して、石化してしまう。
「ありゃ?どうした..
フリーズしちゃって...」
今回ばかりは自覚なしのドキドキを巻き起こしたようだ。
「...まぁいいや...俺さー、お母さんとお父さん離婚してさ、お父さんと今住んでるんだけど。
実のところ、お母さん...欲しいし。」
「そ、そ、そうなの?」
「うん。
朱鳥のお義母さん
マジで母ちゃんみたい。
父さん、仕事忙しくてほぼいないし。
兄ちゃんはたまに帰ってくるぐらい...
寂しいじゃん。」
「...そういう所もあるんだね...」
「は!?」
「寂しいとか...思うんだ??」
すると段々と紅潮していく斎藤くん。
「に、人間だし?」
「そっか。」
半笑いでそう返す。
