寮の夜は甘い夜。






「由良、俺の事は好きになれない?」





少し淋しそうに笑う楓は、
さっきまでキスをしていた張本人とは到底思えなかった。






もちろん、私はなんて答えていいのかわからない。






暫くの無言が続くと、楓は何故かニカッと嬉しそうに笑った。








「前は俺の事好きにならないって言ってたもんな。

ちょっと前進したか。」





・・・ポジティブだなあ。









楓はそのまま私の頭を「よしよし」と言いながら撫でた。






「午後、なにしようか?」






「さっきの続きする」






私は当然お散歩とかのことを言っていたのだが、何を勘違いしたのか、




「なに、キスしたいの?」





「違う!お散歩!」






「あ、そう。

でもお散歩はダメ。

あいつまだ張り込んでるかもしれないから。」






は、張り込んでるって、刑事じゃあるまいし。





楓はちょっと顔を顰(しか)めると、




「プラネタリウムとか、どう?」






と、聞いてきた。





そんなに裕司イヤなのかな?





でも、プラネタリウムも面白そうだしな・・・




「プラネタリウム行く!」





「よっしゃ。じゃ、行くぞ!」



そうして私たちはプラネタリウムへと向かった。