健くんは熱くなって、立ち上がる。
一生はそれを冷めた目で見る。
「別に好きにしたら?
その頑張りが実ることなんてあるかわかんないけどな」
一生はそう言うと、自分の食べた分のお金をテーブルに置いて、1人で出て行ってしまった。
「夢を持つことの何が悪いんだよ。
一生のバカ野郎」
「あの言い方はちょっとね……」
2人は一生に対して、少し怒っているようにも感じた。
私も腹が立たないわけじゃないんだけど、それ以上に気になってしまった。
冷たいセリフを淡々と口にする中、あの寂しそうな瞳が。
あの言葉の裏に隠された本心を。