その瞬間、由紀ちゃんは泣き崩れた。 「応援ありがとうございました!!」 「ありがとうございました!!」 ギャラリーに向かって挨拶をする。 みんなの頑張りを称える拍手が起こる。 それでも、みんなの涙は止まらない。 勝ったチームは最初こそ喜んでいたものの、今では決勝に向けてのストレッチをし始めている。 私たちはベンチの荷物を持ち、体育館を後にする。 私たちは今、試合に負けた―……。