君は音楽





***


部活後、校舎3階の自動販売機の横でうずくまる真子を、大城は見つけた。



「おーい、まだ凹んでんのか?」



返事はない。
大城はパックのいちごミルクを買い、真子の頬にくっつけた。

ぺち。



「おーーーい、真子
いらないの?」



「いる」


素早く顔をあげて、いちごミルクを取り上げると、体育座りで膝に顔をうずめた。


「…ごめんな」



「普段、怒ったり注意したりする事のない翠先輩に言われたんだよ」



真子は、しかも大城と仲がいいなんて…と小声で付け加えた。

大城はポリポリと頭をかいた。


「悩んでても、どうしようもないじゃん、な、帰ろう」


「勝手にすれば」


どうやら、相当ご立腹のようだ。



「おう、そうさせてもらうよ」

大城はドタドタ足音をたてて帰ってしまった。



「明日から部活行きにくいな〜。

大城からもらったいちごミルクも、なんでか飲む気になれなかった。