「あら、もちろん現実よ。那智」
「……」
信じがたい話だが、こういう思わぬところで那智の天才的情報処理能力が発揮する。
「つまり、この世界を支えていた別の世界が何らかの理由で崩壊しかけ、それが元でこの世界に“異変”を垂れ流している……?」
那智は口元に親指を当て、呟く。
これは那智が考え込むときによく行う仕草だった。
クイーンはわっと手を叩く。
「素晴らしいわ!さすが那智ね!そのとおり。那智が今、目にしている異変は、別の世界が干渉してきていることによるもの」
クイーンに頭をなでられ、
その手を振り払う。
子供扱いをされているようで不愉快だった。
さあ。
真実が明白となると、那智はある一つの確信を抱いた。
もちろん、非現実な内容は半身半疑だったが。
最初にクイーンを見たときの違和感は、納得がいく。
「……あんたは…その……“別世界”から来た人間なんだな?」
カチ、コチ、カチ。
時計の音が脳天に響いた。


