これは、夢だろうか。



とある中学校の

とある教室内。


とある中学生の那智(なち)は、
頭を抱えた。



勉強ができないわけではない。


今、目の前で繰り広げられている授業内容が理解できないからではない。


むしろ、簡単すぎて欠伸が出そうなほど。



「…とまあ、ここの段落の心情描写からもわかるようにー…」




眠たくなるトーンでしゃべり続ける国語教師。



ノートを取る生徒。

寝る生徒。

隠れて携帯をいじる生徒。



いつもの授業風景だ。


いつもの授業風景なのだけど……


(…俺の目が、おかしいのか?)


那智はシャープペンシルを取り落とした。