哲也は小声で言った。

「弥生ちゃんを、熱く激しく求めるなよ!」

「えっ?!」

「オマエ、わかりやすいんだよ」

「そうーなんすか?」

「オマエが熱く激しく弥生ちゃんを求める気持ちは、男の俺でもわかる。
でもな・・・」

「はい」

「俺たちメンバーが今日、来ることは、知ってたよな?」

「あっ・・・。
はい」

「だったらな」

「哲也さん」

「ん?」

「メンバーみんなが、俺たちのこと、見てますよ」

「んなこと、関係ねえよ!!」

「でっでもですねー・・・」

「なんだよ?!」

「このまま俺たちが話してると、余計にバレるんと思うんすけど・・・」

「俺は、バレてもかまわねえーけどな」

「哲也さん。
それだけは、カンベンしてくださいっすよ」

「だったら、これからはきよつけろ!!
わかったな?!」

「はい・・・」

「何、雄祐、哲やんにシメられてんだよ?」

「しっシメられて、なっないっすよ?!
まー君」

「ふんー・・・。
まぁー・・・
弥生ちゃんとうまくやれやー」

「ありがとうございます」

「弥生ちゃんもあれやなー・・・」

「なんですか? 聖隆さん」

「雄祐みたいな男に好かれて、大変やなーと思ってな」

「たしかに・・・」

「雄祐がゆうこときかなくなったら、遠慮なく俺に言ってや」

「わかりました」

「雄祐のヤツ、調子に乗りやすいし、ヘンに暴走しやすいから」

「そうですね」

「雄祐の手綱をひっぱれるのは、弥生ちゃんだけやから」

「聖隆さんー・・・」

「じゃないと、このバカはあかんと思う」

「まー君。
ちょっと言いすぎじゃないっすか?」

「オマエにはこれぐらいがちょうどいい。
ヘンに甘えかすとあかんからな」

「まー君の言うとおりやな」

「あべっちまで同じことゆうかよ?!」

「ホント、雄祐さんはそっすよね」

「慧?! オマエだけは絶対に許さん!!」

「まーこれも弥生ちゃんのお陰なんやろうね」

「哲也さんー・・・」

「こんな俺たちだけど、これからもよろしくね」