それに、どんなことがあっても雄祐君を信じなきゃいけない。

会えなくても・・・。

今の私に出来ることは、雄祐君を思い信じぬくことだけ。

何も言わずに雄祐君をそっと見守ることだけ。

それが出来ないのなら、この『恋』は叶わない。

雄祐君と出会った時からわかってた。

なのに、今になって怖がってる。

でも、私の気持ちはもうー雄祐君に走り出してる。

なのに、素直になれない。

どうしてだろう?

やっぱり、傷つくことを怖がってる。

愛することを知ってるから。

でも、雄祐君は本当に人を『愛する』意味をわかってない。

その意味を知りたがってる自分自身にも気づいてない。

自分自身しか見えてない。

私自身の中で全てわかってた。

でも、こんな形で出てくるとは思わなかった。

きっと、意味があるからなってる。

やっぱり、雄祐君が言ったとおりなのかなー?

『前世で会ってる』って。

たしかに、前世で出会ってなかったら、現世で会うことなんてない。

弥生は知らぬまに眠りについてしまい夢を見ていた。

雄祐君だ。

なんで雄祐君がこんなところにいるんだろう?

あれ・・・?

雄祐君とホテルのロビーにいる。

私、ロビーから出て朝もやの中にいて雄祐君の姿探してる。

雄祐君が私の名前を必死に呼んでる。

私も同じように呼んでる。

なんか、朝もやの中に人影が見える。

あっ。 雄祐君だ。

夢の中で弥生の姿を見つけた雄祐は青ざめた顔で強く抱きしめた。

「俺、ここだよ!!」