「どうしてですか?」

「なんで、弥生ちゃん、声殺して泣いてたんや?
そんなに俺に見られたくないん?」

「yasuさん、もうー泣いてないから大丈夫ですよ」

「ウソや」

「ウソじゃないですよ。
そんなに疑うなら、私の顔、見たらどーす?」

yasuは抱きしめた腕をほどき、弥生の顔を見た。

「ほら、泣いてないでしょ?」

「俺の前やからって、ムリせんでいい。
なんで、そこまでムリせなあかんの?!
今まで弥生ちゃんは我慢してきたんやから、泣いたってかまわへん!!
なのに、なんでなん?
なんで、そこまでムリするん?
そんなに俺、頼りにならへんか?」

「そうじゃないの」

「じゃなんで声殺して俺にバレないように泣いてたん?」

「それは、yasuさんだけには見られたくなかったから」

「なんでなん?
弥生ちゃん」

「どんなに自分が辛くてもyasuさんの前では笑顔でいたいから。
今の私にはそれしか出来ない。
そんな自分から逃げてると思われてもいい。
それが今の私だから」

「弥生ちゃんにはかなわへん。
でもな、俺やて1人の男なんよ。
好きな女が自分の目の前で声殺して隠れながら泣いてたら、抱きしめたくもなる。
その気持ち、弥生ちゃんなら、わかるやろ?」

「yasuさんー・・・」

「弥生ちゃんやて、俺の気持ち、わかってるんやろ?
俺が弥生ちゃんのこと想っとることぐらいわかってるんやろう?
だから、我慢して笑顔でいようとしてるんやろう?」

「yasuさんはなんでもお見通しなんですね」

「好きな女のことならな。
それ以外はまったくあかんけど」

「yasuさんらしいな」

「弥生ちゃんが寝室キレイに片付けてくれたん?」

「はい・・・。
勝ってにyasuさんの私物さわっちゃいました
ど・・・」

「片付けててヘンナもん、出てこんかった? 使い捨てのコンドームとか?」

「そんな物、出てきませんでした。
てか、yasuさんコンドーム使わないでしょ?」

「よーごぞんじで」

「yasuさん、しないほうがいいでしょう?」

「せやなー。
やっぱ、生が1番やな。
生に限る!!
俺は生じゃなきゃ感じん」

「誰もそこまで聞いてません」

「何、弥生ちゃん、顔、赤くしてん?
まさか、俺とやってるところ、想像したん?」

「yasuさん、何、言ってるんですか?! 
想像する訳ないでしょ?!」

「またまた照れちゃって。
弥生ちゃんのエッチ」

「yasuさんより、まだ私はましですよ」

「なんでなん?」

「何千万人のファンの前で『ドエロで行こうぜ!!』とは、私、言ってませんから。
そこまで私は、大胆になれない」

「俺がそうゆうキャラやから」

「じゃなきゃ、女性のファンや男性ファンを惹きつけることは出来ませんよね」

「弥生ちゃん、よー俺のこと、わかってんやな。
てか、俺をちゃんと見てるやな。
アーティストとしても1人の人間としても1人の男としても」

「そうですか?」