なのに俺は、何も出来てない。

このまま福岡に帰るなんて、俺には出来ない!!

雄祐はスマホを手にとり電話帳に登録してある弥生の住所を見た。

ここの住所に行けば弥生ちゃんはいる。

でもこんな夜中の0時じゃ最終もない。

飲んでるし車の運転はムリ。

どーしたらいいんだ?

そんな時、メールの着信が鳴った。

雄祐はメールを開いた。

「今日始めて雄祐君のライブ生で見たよ。
カッコよかったよ。
本当は今日、ライブに行くのやめようと想ってた。
でも、雄祐君からのメールと着信みたら知らずに足が向かってた。
挨拶もしないで勝ってに帰ってごめんね。
でも、これでよかったんだって想えたから。
雄ー・・・。ありがとう」

勝ってに終わらせるなよ!!

まだ俺の気持ちちゃんと言ってねえじゃねえかー。

こんなんで俺が納得すると想ったら大間違えだ。

雄祐はいてもたってもいられなくなりホテルの部屋を飛び出しエレベーターに向かって走っていた。

走る雄祐の姿を見たリーダーの哲也は呼び止めた。

「雄祐」

「哲也さん・・・」

「こんな夜中に何処行くと?」

「ちょっと・・・」

「まさか・・・。あの子のことか?」

「あの子って・・・?」

「今日のライブにきてたよな。
1番後ろの席で見てた子だよな?
たしか、弥生ちゃんだったけ? 
オマエ弥生ちゃんと出会ってから変わったよな。
弥生ちゃんと出会わなかったら『Answer』の歌詞書けなかったよな。
オマエのことをそんなふうに想ってくれる人がいるってことは、オマエにとって何より幸せなことだよな。
そのことにようやく気づけたんだな」

「哲也さん・・・」

「オマエみたいな男を想ってくれる女なんて、なかなかいないぞ。
今逃せばあとはないからな」

「哲也さん・・・」

「頑張れよ」

雄祐はエレベーターでロビーに降りタクシーで弥生の自宅へと向かった。

哲也は残りのメンバーを集め話してた。

「みんなに話があるんだ」

「なんすか?」

「てか、雄祐さんいないっすよねー」

「何処行ったと? 哲やんなんか聞とると?」

「うんー・・・」

「それって、雄祐がいないことと関係あると?」