それも今日だよ?!

弥生は少し戸惑いながらも時計を見た。

今から名古屋に向かえば雄祐君のライブには間に合う。

どうしよう・・・。

弥生は知らぬまにしたくをして家を出て電車にのり雄祐がいるライブハウスへと向かった。

店の前についた弥生は迷わず扉をあけチケットを買い会場へと入った。

室内は暗く次の曲が始まる瞬間だった。

ステージ上にはブルーのライトに照らされる雄祐の姿があった。

「次の曲はバラードで『Answer』です」

弥生は客席の1番後ろで聞いていた。

曲の後半でステージが明るくなり雄祐はふいに1番後ろに立ってる弥生の姿に目を止めた。

最後のフレーズを歌いながら雄祐は弥生を見つめていた。

また弥生も同じように見つめていた。

すべての曲を歌い終わった雄祐は少し慌てるようにステージ脇に入った。

雄祐はその足で1番後ろの客席へと向かった。

けど、客の多さに弥生の姿を見つけ出すことが出来ずにいた。

弥生はライブハウスをあとにし自宅へと帰った。

雄祐はライブをおえ打ち上げに出てた。

少しお酒が回りすぎた雄祐は1人店の外に出てた。

弥生ちゃん、きてたんだ。

なんで弥生ちゃん、帰ちゃったんだろう?

雄祐は少しだけやりきれない気持ちのまま店の中へと戻った。

打ち上げもお開きになり宿泊先へと向かった。

ホテルについた雄祐は少しベッドに腰を下ろしため息まじりに仰向けに横になった。

もし、このまま会わずにいたらどうなるんだろう?

俺、何1つ弥生ちゃんに言ってないし伝えてない。

本当にこのままでいいのか?

弥生ちゃんの想いに答えられない俺って、いったいなんだよ?

俺だって、これじゃいけないってわかってる。

でも、今の俺は・・・。

雄祐はバッグの中に入れてきた弥生の日記を読み始めた。

俺のこと、こんなに想っくれても答えることすら出来ない。

でも。
弥生ちゃんは俺のことを思い信じてくれてる。

だから、今日のライブにきてくれた。