「じゃぁ、私先に戻ってるね!!」
彼を見据えた後、直ぐに何時もの緩和な笑みに戻し彼にそう告げ足を元来た道に進めた。
「…あっ、」
途中、彼が何かを言おうとしたが聞こえない振りをして一度も彼に振り返らなかった。
クラスの人がいる部屋へ向かう私の顔にはもう笑みは無かった。
上手くいかない。
やっぱり、人間はとても面倒な生き物だ。
周りに嫌われないように上手くその場の空気を感じ、その場に合わせる。
何も間違ってはいない筈なのに。
色々考えている間に、気が付けば目的地に着いていたらしい。
また、氷のように冷めきった自信の顔に緩和な笑みを張り付け、息苦しい空間に足を踏み入れた。

