こいつはどこまでバカなら気が済むんだろう。


まぁ、いい。


このバカのバカを活用してやる。


「カケル、実は僕はもうじき死ぬ。まぶたの裏に三途の川が映ってるんだ。」


「……えっ、えーーーーっ‼」


信じた?信じたのか。


自分で言い出しといて何だが、僕は驚いて口があんぐり開きそうになった。


こいつはやはりピュアらるではなく単なるバカだ。


「やだ、ゆきちゃんが死んだら俺も死ぬ。」


黒埼が本気で涙目になる。


罪悪感を感じながらも、こいつのためだと僕は心優しい自分をなだめた。