僕は久保行成。


棚先中学校2年の学年トップにして


2年3組の品行方正な委員長。


誰からも一目おかれる出来る男


それが僕。


今日も艶やかな黒髪と理知的な眼鏡がきまっている。


僕を見る羨望の眼差しが今日もあつい。


「あっ、ゆきちゃんだぁ〜おはよ~」


………


「黒埼ぃっ!昼休みに登校して何がおはよ~っだ‼少しは恥を知れ!堕落しきったおのれを嘆け‼‼」


「あははっ、相変わらずゆきちゃんは面白いなぁ」


ゼェハァゼェハァ言ってる僕を尻目に、黒埼はのんびり笑った。


こいつさえいなければ……


平和主義者たる僕にそこまで言わしめるこのバカは黒埼カケル。


バカっぷりが見事に表現されたヒヨコ頭。

さらにそれを強調せんとばかりに入れられた赤いメッシュ。


THE不良☆、の出で立ち。


さらに遅刻の連続記録を、恐るべき勢いで更新していく堕落っぷり。


教師への反抗。


パーフェクトな僕の真逆を地でいく奴だ。

のくせに女子にやたらと人気がある。


ある女子いわく、


「茶色の瞳がピュアらるなのぉ~」


わけが分からん。


僕の方がもててしかるべきなのにっ


僕は一回も告白とかされたことないのにっ