「警戒心強いの知ってる。人とのコミュニケーションが苦手なのも聞いてる」
「・・・・」
「だから、お友達から、どう？」
「へ？」

何とも間抜けな声を出してしまった。

「今日会ってさ、俺自身もあいつらと同じ、君の特別な存在になりたい。そう感じた」
「・・・」

さっきまで忘れかけていた緊張が一気に出戻ってきた。

「いいんだすぐにじゃなくて。だから、友達になろう」

なんて答えればいいんだろう。
ここにはそれを教えてくれる人がいない。

「大丈夫」

その言葉に落としていた目を上に向ける。
優しいその笑顔はやっぱり私に安らぎを与える。

「今は頷けばいいよ。その後、ゆっくり考えればいいんだから」

単純な私はその言葉通り、小さく頷いた。

なぜか、彼の言葉は私に答えを教えてくれたような気がして、他に選択肢は無いんだって思えなくさせたんだ。