それからも1人熱唱する私


テレビ画面を向いていたため彼が入って来たことに気付いたのは一曲歌い終わってからだった。


『有美いい加減、喉がー・・・え?』


『ど-も-。
南谷浩輔です、はじめまして。』


少し茶髪の髪と切れ長の目、笑った口が大きくて痩せマッチョ。
加藤晴彦とロンブ-の淳をたして割った感じ。


世間で一般的に言うと格好いい部類に入る。



・・・というか、顔が私のもろに好きなタイプ。


おぉ、あたりじゃん有美。


この時の私は、あくまで有美の付き添い人。


ドキドキと緊張しながら


『ど-も-。田中陽菜でっす!』


明るく返事。


その後南谷さんを見たことに満足したのか、ろくに話もせず有美はカラオケを熱唱してた。



何故か私と南谷さんが隣に座り、有美は椅子の上に立ちながら踊りだす。


『『すごい…熱唱』』


顔を見合わせて笑った。