『初めてだから、キスの仕方が分からないよ。』


覚悟を決めた私はまっすぐ浩輔を見つめた。


『・・・あー何だそれ。』


うぶ過ぎるとか言いながら頭をガシガシとする彼は余裕がなさそうに見えて、ほっとする。





『じゃぁ、立って。』


『立つの?』


浩輔の誘導にてベンチの前で向かい合って立つ。
大分辺りは暗くなっていたー・・・。


『目を閉じて。』


『うわぁー緊張する!』


今更恥ずかしくなってきて両手で頬を押さえる。


『大丈夫!俺も!』


『・・・うん。』


その言葉にゆっくりと目を閉じる。