抱いて、抱かれて、堕ちて、溺れる。




時間は無性にも過ぎていく。



気がつけば、12時をまわっていた。




そろそろお開きにしよう、と司くんが言ったので、私たちは店を出ることにした。





『じゃ、俺帰るわ!暁さん、また月曜日ね!』



司くんが行ってしまった。






『司くん、帰っちゃったね。』



『俺らも帰ろう?タクシー拾うから、待ってて?』




せっかく2人になれたのに…。




そうだよね。帰らないとね。



私、なに考えてるんだろ…。





『これで帰りなよ。』



そう言って、渡されたのは一枚のタクシーチケット。




『俺んちこの近くだから、寄ってもらって、そのまま帰りな?』




一緒にタクシー乗るの?




お家の近くまで行っていいの…?




私は言われるがままに、純くんが拾ったタクシーに乗り込んだ。