実夏はなんだか窶れていた。
私が知っている実夏の面影は…なかった。
『実夏…どうしてここに…?』
『暁の旦那さんが会社に来たの。で、暁の体の事…。』
夫が…会社に…。
行きたくないはずの…あの場所。
私の為に…そこまで…。
『うちの人が…?そうだったんだ…。』
『暁…妊娠してるんだよね…。あと…病気…。』
『うん。全部知ってるんだ。病気の事も。』
『だ、大丈夫なの…?それと…子供の父親は…。』
『…。』
『…やっぱり…。』
『ねぇ、実夏…?彼には…絶対に知られたくないの…。私、この子はうちの人の子として産むつもり。うちの人もわかってくれてる。私、家族と生きるって決めたの。』
『…純くん、会社辞めたよ。』
『…えっ?』
『あの後、上司に自己退職しろって責められて…。今はどこにいるのかもわからない…。』
知らなかった…。
私のせいで会社を辞めていたなんて…。
『大丈夫だよ。純くんならどっかで元気にやってるはずだから。』
『実夏…。ごめんね。』
『私、実夏に酷いことした…。なんて謝っていいか…。』
『暁、私、もう大丈夫だよ。実はね…司くんと…今付き合ってるんだ。で、今日の事も行ってこいって、あいつがねっ。』
久しぶりに実夏の笑顔を見た。
初め見た時、凄く辛そうな顔してたから…。
もしかしたら、私の為に嘘ついてくれたのかな…。
でも、もし司くんとの事が本当なら…。
絶対に幸せになってね。
応援するからね。

