私たちは、近くのホテルに入った。




一言も声を交わすことなく、お互いの気持ちがわかるかのように自然と足が動いた。







『暁…。』





最初に口を開いたのは純だった。






『…いいのか?』






『…最後に抱いて欲しいの。その想い出だけで、私は生きていけるの…。私の目に純の躰を焼き付けたいの…。』






私がそう答えると、純は私にキスをした。





今までにないくらい激しいキスを…。





私たちは、何度も求め合った。




別れを惜しむ獣のように、本能のままに…。






汗と涙が交わりあっていた。







『純っ…。』






『暁っ…。』




互いを呼ぶ声だけが…悲しく…部屋に響いていた…。