容赦なく水は私の体温を奪っていく。
私は一歩ずつ海へと足を運んだ。
その時だった。
『暁!!ダメだ!!』
どうして…?
どうして、あなたがここにいるの…?
どうして…逢いたいと思った時に…あなたは私の前に現れるの…?
『…いやっ!離してっ!私なんて生きていても仕方ないもん!だから…死にたいのっ!お願いっ…純…。』
純はいつになく真剣だった。
『ダメだ!!暁が死んだら沢山の人が悲しむんだぞ!?子供はどうするんだ!?子供を残して死ぬなんて絶対ダメだ!!』
子供…。
私のかわいい宝物…。
娘の笑顔が蘇る…。
ママ〜!と毎日笑顔で抱きついてくるかわいい娘…。
『…なっ?だから、死ぬなんて考えるな。』
『…うっ…』
私は、純にしがみついて泣いた…。
本当は死にたくない…。
私は不器用で、寂しがり屋だから…誰かに助けてもらいたかっただけなんだ…。

