前の日に…あんなことをされても…私は夫の妻である。




出張の身支度は妻の仕事。



私はネックレスを鞄にしまい、いい妻を演じる。




だが夫は、なかなか家を出ようとしない。





時間だけが過ぎていく。







『…時間良いんですか…。』





『…わかってる。』




そう一言だけ言うと、夫は家を出た。






一気に全身の力が抜けた…。







娘に声をかけられるまで、私は玄関から動けないでいた…。