たった一度きりの…



水夫は僕の方に向き直って頭を下げた。


「本当に、ごめんなさい」

「い、いや…別に……」


僕はうろたえる。

相手は水夫とはいえ、外見は47歳の大人だ。

そんな相手に頭を下げられるのは、居心地が悪い。


「と、とにかく。顔を上げて。僕、もう気にしてないから」



水夫はやっと顔を上げてくれた。



僕は、ずっと言いたかった事を言おうと、お茶を喉に流し込んだ。