たった一度きりの…


僕が小さい頃――つまり、組織のビルができて間もない頃は、たびたびサイレンが鳴ることはあった。


興味を持った一般の人が、入ってくる事があったからだ。



しかし、今はもう、ない。

理由は明白だ。


『入ると閉じ込められる』だの、『実験台にされる』だの、全く嘘とも言えない、噂が流れたから。







こんな所に、入ってくるのは、誰?



…余程、噂に疎い人物か、度胸試しに来た、頭の軽い奴なんだろうか。







僕は、好奇心の向くまま、組織の入り口へ向かっていた。