たった一度きりの…



「凪。あなたに、ここを――この組織を、完成させて欲しい。」

突然、声が優しくなった。

「力の保持者の人達に゙ここが自分の居場所だ゙って思わせるようなところにして。」

水夫はにっこり笑った。…泣いてる?


「うふっ。……なんて、これ、わたしの夢。わたしは夢を叶えることが出来ないから。
わたしは、この夢をあなたに託してもいい?」


真っ直ぐに、真っ直ぐに、僕を見て、言う。


そんな、水夫の心が、僕には透けて見えて。

水夫がどれだけ自分の体質を呪い、どれだけほとんど面識のない、組織の皆の事を思っているのかが見えて。





僕はしっかり、こう答えた。