その時、少し離れた本棚から、知らない人達の声が聞こえた。



「おい、知ってるか?」
「何を?」
「あの女の子だよ。あの…噂の。」
「あぁ。"かこ"だろ?」
「そうそう。…って何で"かこ"なんだ?」


僕ははっきり言って、退屈した。

もう少し面白い話し方は無いのだろうか。

我慢して、聞き続ける。
どうやら、少女の事が話題にされているようだ。