ご都合主義なハッピーエンド





かなりの力をいれたはずなのに、王子は一歩下がっただけだった。



尻餅でもつけばよかったのに。



「……まさか枕で殴られるとは思わなかったよ」



反対側に寝返りをうった私の方にわざわざ歩いてきてそう言われる。



笑いながらというのがまた気にくわない。



「…………どこです、ここ」



「僕が誰だか聞かないんだ?」



「あなたが誰かくらいわかります」