「――――め、………ひめ、姫」



「…………ぅ」



誰かの呼ぶ声で目が覚めた。



「ああ、やっと起きた


ほんと、よく寝ていた。君は眠り姫じゃないはずなんだけど」



気分はどう?と問いかけてくるのは、初めて聞くけれどよく知った声。



気障ったらしく髪を掬う奴――王子の顔面に枕をぶつける。



「……目覚め最悪です」