タカラモノ



__ミーンミーンミーン…__


蒸し暑いこの大っ嫌いな季節
虫たちの鳴き声にイライラが隠せない

8:16

うわ、遅刻


普通の女子高校生ってこんなもん?
それか私だけ特別怠け者?

遅刻っていうのに
ゆっくり支度
ゆっくり朝ご飯
ゆっくり歯磨き
ゆっくり洗顔

8:30

大遅刻
そんなの知ってる
知ってて焦らないのが私のいいとこ

ん?悪いとこ?
いいとこにしといて〜


結局、一時間目の途中参加
こんなの珍しくない
きっとかなりある
遅刻数はかなりある

気にしない
気にしない

だってめんどくさいんだもん

「ゆーあっ!遅い!!」

えりかの声の大きさに
驚く私

「なーに、いつものことでしょ?」
私は平然と応える

えりかはムスっとした顔で
「明日からはちゃんと来なさいよ」

そう言ってノートを取り始めた

えりかとは中学からの仲
佐々木 恵理香
うるさいけどしっかりもの
まさしく真逆

私、仲田優亜はそんな
えりかに毎日頼りっぱなし

大切な存在なんだ


__キーンコーンカーンコーン…__

授業の終了の合図と共に
騒がしくなる教室

窓側の私は空見ながらお昼寝
ここ最高の定位置


「ゆーあ!!!起きて!!」