雨のち晴れ


「あら、赤羽くんに姫島くん。赤羽くんはともかく、姫島くんは、珍しいわね。ぁ、姫島くん、確か伊豆蔵さんが探してたわよ。」

俺を…伊豆蔵が…?


倫も不思議そうな顔をして俺を見た。

俺はわからない。

そう目で告げる。

「まだあなたのクラスの前をウロウロしてると思うわ。」

その言葉に俺は保健室を出て行く。

俺のクラスは3階。あいつのクラスは4階のはずだ。

何かある。

あいつは何かを握っている。

「!伊豆蔵!」

俺は大声で伊豆蔵雪歩を呼ぶ。

「…、赤羽倫をゆきに渡して。時雨を傷つけたとか超生意気。一生口を聞けなくしてやるから。」

なんで、俺が倫をこいつに売らなきゃいけないんだ。

「断る。」

俺は…倫も、守る。

「なんでよ⁈」


「倫は、俺の親友だからだ。」

誰もわかってくれない俺の気持ちをわかってくれたのは倫だけだ。

信じてくれたのも、気にかけてくれるのも、倫だけだ。

「…時雨と仲がいいくせに、そっちの肩を持つのね。」

「お前こそ、しぃと仲が良かったくせにすぐに裏切ったじゃねーか。」

あれから、しぃは、一時期声がでなくなった。

利き手の左手は、親によって、握力がなくなり、

右足の膝を妹によって殴られ、特待生の誘いが受けれなくなり、

選手兼監督として、女子バスケ部に所属していたが、伊豆蔵の、「由奈を時雨が殺した」発言により、女子バスケ部から追い出された。


それだけ傷ついているのに、

風歌も、伊豆蔵も、いじめの道具くらいにしか思ってない。