甘えてくるしぃは久しぶりだ。
俺の返事に久しぶりに、しぃは子供の頃のように笑った。
その笑顔は俺が好きな笑顔と何も変わらない。
「平助、行こう。」
ふと、いつもの表情に戻る。
きっと、クラスが怖いんだろう…
それでも、前に進もうとするしぃを見送り、俺はドアの外に呼びかける。
しぃと平助は後ろの扉から出て行ったから気づいてないだろうけど、
「いつまでそこにいるんだ?倫。」
その言葉と同時に、倫が出てくる。
「いくら風歌が見ていたからってあの態度はないだろ。」
「あぁでもいわないと時雨は諦めないだろ。俺の言葉だけに傷つくのと、他で傷つくのとどっちがマシだ。」
それはもちろん、倫の言葉だけに決まってる。
でも、
「どっちにしても、しぃは傷つく。風歌が殴って蹴るんだ。」
疾風が、不思議そうな顔をする。
なぜ、時雨まで傷つけられるのかそんな顔だ。
「俺が時雨のことを恨んでるってことにしているのは、時雨が容易に俺の見方とか言い出して時雨までやられるのを防ぐためだよな?なのになんでやられるんだ?必要ないだろ?」
俺たちはよく設定を考える。
「「あ」」
倫が時雨を襲って、殴ったり蹴ったりしてる設定だった。
毎日のように、風歌が、昨日もお姉ちゃん呼び出したんですか⁈なんて叫んでたな。
ヒラ部員は後輩だろうと倫のことを、赤羽って呼んで、一緒に罵って…。


