雨のち晴れ


「わかった。」

そう言って、しぃは、保健室へと歩いて行った。

俺もその後をついて行く。

前にある、しぃの手を離れないように強く握った。

「ひーろーちゃん。」

「広瀬先生なら今はいない」

…倫の声…


「倫⁉︎まだ部活じゃ…⁈」

「レギュラー以外に追い出された。で、仁科姉は、何しに来たわけ?」

しぃが、ショックを受けた顔をしている。

「倫先輩、あたし、何もしてないです!風歌に罪を被せられただけで…」

「なら、なんで連絡してこないんだよ!俺のこと、聞いてたんだろ?何もしてないのに…わけわかんねぇこと言われて、クラスじゃ殴られるし、教科書燃やされたり捨てられたり、ロッカーも荒らされた。それだけならいいよ…俺の味方をしてくれたやつまで被害にあってんだよ‼︎なんとかしろよ。お前、仁科妹の姉だろ⁈…時雨…風歌ちゃん…止めろよ…!」

倫は、少しだけ、涙を流していた。

普段なら男がなくなんてかっこ悪いと思うけど、そんなこと全然ない。

「あたし…怖かったんです。風歌に言われました。連絡したら、疾風になにするかわからないよって…。そう言われたら…疾風、今までずっとあたしのせいで傷ついてたからっ…それだけは嫌だったんです…」

しぃは小さな声で言う。

「…!なら、俺ならよかったのかよ。俺だったら、いじめられてても何も思わねぇんだろ⁈結局、疾風さえ守れれば他はどうでもいいんだろ⁈」

「違います!あたしは「もう言い訳は聞き飽きた。俺はお前のこと敵としか思えない。」

倫はそう言い切った。

そのまま保健室を後にする。

しかし扉で振り向いた。

「仁科姉、もう、倫ってよぶな。」

しぃが、なきながら崩れ落ちた。

信じてもらえないことは悲しい。

しかも今まで仲が良かったのに。

「疾風ぇ…あたしっ、悪いっ…こと…言っちゃった…かなぁ?」

泣きながら俺に問う。


俺は久しぶりに正面から、しぃに抱きついた。

しぃは泣きながら驚いた顔をしつつも、俺の背中に手を回した。