雨のち晴れ



あたしはしばらく無抵抗で殴られて蹴られるだけ。
疾風が守ってくれようとしたけど、守られることすらもう忘れちゃったよ。

守られ方なんか知らないよ。

「カッターで体を刻むのは後かしら。」

「風歌、倫はこれ以上のことはやらない。カッターで他人の体を刻むのはあいつならやらない。」

疾風が倫先輩を守るような発言をする。

普段の風歌なら、は?といって終わるだろうけど…

「そう?じゃぁ、これ以上は痣を増やし続けるしかないのね。」


そう言って風歌は、ご機嫌な様子で部屋から出て行った。

痛い、痛い。

殴られたところが、蹴られたところが。

「しぃ、大丈夫か?守れなくてごめんな。約束したのに…。」

約束…?

ってなんだっけ?

辛いことがありすぎて、嬉しいことなんて忘れてしまったよ。

酷いことがありすぎて日常すら覚えれないよ。