突然部屋からでられなくなった。

食べ物の問題は特にはない。

むしろ、こんな時のためにストックはあるし、我が家はなんだかんだ言ってお金持ちの部類に入るから、あたしの部屋だけ、ユニットバスがある。

学校に行けない。

何をされてるのがわからない…

「疾風、大丈夫かな…?」

疾風が心配。

平助も大丈夫かな?

倫先輩…何もされてないかな?

みんな、無事かな…?

「!時雨!」

扉の外から母親の声。

名前を呼ばれたのって何日ぶり?

ううん、何週間ぶりだろ…

「時雨、開けるわよ。風歌が、時雨は学校で辛い目に合わされてるって、何があったの?お母さんに言いなさい?」


いつになく優しい言葉は、私に歓喜ではなく、恐怖を与える。