朝練に少し遅刻した。
たまたま、起きるのが遅かったそれだけ。
「倫先輩…。」
「先輩!お姉ちゃんに何をしたんですか⁈お姉ちゃん、倫先輩がいるから、学校に行けないって泣いてたんです!」
なぜか、風歌ちゃんが怒っていた。
「時雨が…?」
何もしてないのに、覚えなんてないのに。
なんで俺が責められているんだ?
俺が時雨に何をしたんだ?
「お姉ちゃん、引きこもってるんですよ?倫先輩のせいでっ!お姉ちゃん、本気で悩んでるんですよ⁈」
「風歌。練習を始めさせてくれ。」
時雨が俺の味方をするわけでもなく、敵のような態度を取るわけでもなく、話を遮る。
「…疾風、部活何時に終わる?」
「…まだ決めてない。」
疾風が、嘘をついた。昨日俺にははっきりと、18:00に終わると言ったのに…。
「そうなんだ。部活の時間は邪魔したら悪いからなぁ…。」
もうすでにしているとも言えなくて。
俺は、
どうしたらいいんだ…?


