「神楽にぃのこと、待ってるなら、そんな考え捨てた方がいいよ。出てったんでしょ?確か、彼女さんの名前は雛乃さんだったよね?」
溝呂木 雛乃
俺から、神楽にぃを奪った人。
でも、俺に会えば挨拶してくれるし、心配して、飯に誘ってくれたり、神楽にぃを、たまに俺のところに連れてきてくれる。
だから、神楽にぃと同じくらい、尊敬する。俺の家に父親も母親もいないに等しいのに。俺だけなのに、気を遣ってれる。
「旭にぃがいたら、少しは違ったかもしれないね。」
「旭は俺の家族なんかじゃない!」
旭は俺がいるから帰ってくるわけではない。むしろ、神楽にぃに、すべてを任せて、逃げた。
一度帰ってきた時には、彼女がいた。
美形でもない旭に、どうしてあんな美人な彼女ができたのかは疑問だったけど。
「旭にぃは、イケメンだったなぁ…」
風歌が、しみじみと言う。
どこがだよと突っ込みたくなるが、それはあえて声に出さず、ただ、黙っていた。
「私、旭にぃに、かっこいい年上紹介してもらう約束してるんだよねー!」
一人で勝手に盛り上がっているで、俺は、とりあえず、シカトすることにした。


