その一言で、風歌は、高笑いした。
「バッカじゃないの?私を飾る道具?違うわよ。私の引き立て役でしょ。私があんたを飾ったところでメリットないじゃない。疾風や、倫先輩、平助先輩なら、別よ?イケメンだもん。」
俺は唇をかみしめながら、次の言葉をただ、待った。
「女はすべて、私の引き立て役。男はすべて私にひざまずく騎士なの。」
バカみたいな話だ。
俺たち男が風歌の騎士…。
笑いたくなる。
でも、笑えない。
この学校では、風歌がお姫様……
「ま、私、時雨は引き立て役だなんて思ってないけどね。時雨は私の下僕、でしょ?」
「そう。」
時雨の手はずっと動いていた。
風歌の手は途中で止まっていた。
容量がいいと自慢している風歌も、時雨には勝てないことが、わかる。
そう。時雨は何でもできすぎる。
何でもできるように見えて、風歌は、逆に何もできない。
それだけなんだ。
だから、風歌は、こうなったのかもしれないな。
完璧すぎる姉。完璧すぎる姉を受け入れられず、風歌に完璧を要する母親。完璧すぎる姉を受け入れつつも風歌に期待をしている、父親。
風歌は、かなり追い詰められているのかもしれないな。


