雨のち晴れ


「風歌は、何部にはいるの?」

バスケ部と言わないことだけを願った。

「んー、女バスのマネかなー。時雨のクラスメートに誘われちゃったし♡」

終わった…

「でも、疾風の顔、見たくないし、日焼けしたくないしな…1番イケメンが多いのは、サッカー部だし…。」

頼むから、サッカー部のマネージャーでもやって欲しい。

そうしてくれたら、あたしは救われる。

「男バスのマネもいいな。日焼けしなさそうだし。」

「そ、それだけはやめて……」

あたしの唯一の居場所を奪わないで…


「疾風がいるからな…でも、時雨の悲しむ顔が見えるし。男バスにしよ♪」

終わったな。あたしの高校生活。

最悪だ。

なんで、実の妹にあたしの人生壊されないといけないんだろ…

あぁ、そうだ。
風歌は、なにをやってもいいんだ。

風歌は、風歌だから。

あは、あはは。
やっと気づいたよ。
仁科時雨は存在しなくていいんだよね。

必要とされてないんじゃない。

必要じゃないんだ。