「疾風、ねぇ、あの、大丈夫?」

「な訳ねぇだろ…無理言ってでも、倫の家に泊めてもらう。」

なら、これしかない。

「あたしが、疾風のそばにいる。」

家族が誰もいない上に、学校では、いじめられて……。

そんな、疾風を支えれるのはあたししかいない。

あたし以外に支えられる人はいない。

「さんきゅ。でも、大丈夫」

「大丈夫に見えないから言ってるのよ⁉あたしは、疾風のそばにいるよ。」

「…なぁ、俺は、頼りないか?」


え…と、?

今はそーゆーことをはなすべきなの?

「時雨には、俺は一人で立っていられないように見えるのか?」

「…見えないよ…?」

「だろ。俺は大丈夫だから。」

「倫先輩のところまでは一緒に行く!」

疾風は少しかなしそうに笑う。

「お前は家に入っとけ。」

「…でも、」

「頼むから。」

「...わかった。」

あたしは仕方なく、家に入った。