それこそ、大声で外でいわなくていい。
完璧な個人情報じゃないか。
「お母さん、やだよ。風歌、疾風怖いもん…。」
「なにいってるの。疾風くんがかわいそうでしょ?それに、疾風くんは、時雨の部屋に泊まってもらうのよ?」
「は⁉」
いくら、私が嫌いでもな、年頃の男女に同じ部屋は……常識的におかしくないか…?
「俺、家にいるんで、別にいいっす。」
疾風は、あたしたちに背中を向けていった。
「あら、遠慮しないで?」
母親は、のんきにこんなこと言ってる。
「かわいそうな子供を一人にできないもの。」
「かわいそうじゃないです!俺は、かわいそうなんかじゃない!」
俺は、俺はと、疾風は続ける。
「俺は…大丈夫ですから…だから、だから、俺にかかわらないでください。」
「何よ。失礼な子。まぁ、巻き込まれたくないもの。勝手にして頂戴。ほら、風歌、家にお入りなさい。時雨は好きにしなさい。」


