雨のち晴れ


「とりあえず、上着とかきせましょう。あたしと、倫先輩の秘密です。」

その言葉に頷き、ジャージをきせる。

そして、時雨に指示を出す。

「他のやつら、いれてくれ。」

「⁉」

時雨からしてみたら、こんなにあざのある疾風を人に見せたくないのだろう。

俺だって見せたくはない。でも、あまり遅いと、ヤバいとおもう。

逆に何かあったと感づかれる。


時雨しぶしぶ、部室に部員をいれた。

「⁈」

平助が一番に駆け寄ってきた。

「疾風先輩⁈」

「平助、」

「こ、このあざ……。去年より酷いじゃないですか……。」

去年…⁈


去年ってなんなんだ…。

「平助!去年って…?」

時雨が大きな声で言う。

「帰りに話す。今は着替える。」

帰りってことは、俺の家だな。

きっと、俺の家に集まる気だ。

「…わかった。」

時雨は頷いて、部室の外へでた。