「平助、門送だから一年よんできて!」
トーマの声が響く。
「時雨は部長、じゃなくて疾風先輩に渡して」
と花束が渡される。
「暁先輩には平助、俺は倫先輩。陣先輩は佐倉だな。」
「えー、俺は渡せないんですか~。」
倉橋くんがいつの間にか背後に立っていた。
「倉橋は部室で色紙渡す役。嫌か?」
「んー、それならいいですよ。」
なんとか、倉橋君をなだめて、疾風たちが来るのを待つ。
「…来た。」
疾風たちのクラスから。
「疾風、」
さっと花束を差し出す。
さんきゅ、と受け取ってもらえて、そのあとはまたほかの先輩が同じことの繰り返し。
部室に来てもらうように連絡はしてある。


