雨のち晴れ


ねぇ、疾風。あなたのおかげで頑張れたんだよ。成長できたんだよ。

「この後皆さんはどうしますか、きっと最後の思い出に所属していた部活へ行ったり、仲のいい友達と写真を撮ったり、彼氏や彼女と出かけたり、家族で卒業を祝ったり、するんだと思います。その間に少しでも三年間のこと思い出すことがあったら、あたしたち後輩のことも思い出してもらえればうれしいです。そういえばこんな子がいたな、それだけでいいです。あたしたちも先輩を忘れません。」

ねぁ、みんな全国大会負けちゃったね。それでもあのメンバーで全力で戦ったんだよね。そうやって思い出す。

そして息をのむ。

「先輩方は今大きな岐路に立っておられます。この先は決して平坦な道ではないでしょう。それでも、私たちは先輩方がどんな困難も乗り越えられることと思います。最後になりましたが、先輩方のご健康とご活躍をお祈りして送辞とさせていただきます。」

一礼して顔を上げる。

あとで怒られるかな。ぶち壊しちゃったよ。

でも、やり遂げた感がある。


「…時雨、よかったぞ。」

こそっと、平助たちが、あたしに笑顔で言う。先輩たちからの声はわからないけど、気になるけど、顔には出さない。

「卒業生答辞、卒業生代表、」

卒業生代表は生徒会長さんが堂々と壇上に上がっていた。