「時雨!」

「在校生代表送辞のあいさつ考えた?」

「うん。」

この学校の送辞、答辞は学年一位の生徒が務めることになっている。

何であたしなのかって不満な先輩や同学年もいたみたいだけど、クラスの子や雪穂先輩が黙らせてくれたらしい。

「卒業式、か。」

マンガなんかでよくある桜なんて咲いてなくて。ただ、青空だけが広がっている。

「部室の準備は一年に任せたけど問題ないよな。」

トーマに頷いておく。

風歌が飾り付けは何とかしてくれるし、お菓子とかはほかの子が用意してくれるだろう。

「時間だよ!うち等も体育館行くよ。」

もう、そんな時間か。