雨のち晴れ


試合会場へと足を進める。

「アレ、去年優勝したとこじゃないですか…。」

弱腰になっている奴もいればわくわくしている奴もいる。

ここが、全国。


「お前ら、気合い入れろよ。」

俺の言葉に返事をする部員たち。

さぁ、もうすぐ始まる。

試合前なのに驚くほどに緊張なんて吹っ飛んでいて、今俺の中にあるのは適度のプレッシャーと、冷静さ。

なんて自分で分析している。

「さてと、行くか。」

ベンチへ。コートへ。戦場へ。

「行くかって、もう俺たちは準備できてるんだけど?」

陣が立ち上がって、

「僕も。疾風遅いよー。」

暁も歩き出して。

「さてと、俺たちは声だしに行くか。」

平助と本田、倉橋が三人、陣の後を追いかけて。

「先、行くからな。」
倫とともに大半の部員がロッカールームを出た。

「疾風も行こう。」

しぃが俺に手を伸ばす。

「あぁ。行こう。」